福祉のこと

倫理感を高めるには、失敗が必要だ!

1.ソーシャルワーカーは清廉潔白でなければならないのか

私自身は、長い間ソーシャルワーカーは清廉潔白でなければならない、人に優しく自分に厳しい人間でなければならない、偏見を持たず、すべての人に公平性を持ち、愛を持って関わらなければならない、と考えてましたが、その考えが自分の成長を阻害したと思っています。

型にはめず、あなたの考えに間違いもクソもないことを、周囲が受け入れてあげることが、一番大切だと思います!

特に、ソーシャルワークは、人の生き方に関わる仕事であり、「答え」のある仕事じゃないからです。

広辞苑で清廉潔白とは、心や行いが清くていさぎよく、私欲を図ったり不正をしたりすることのないこと。身にやましいことのまったくないこと。と書かれています。

ソーシャルワーカーは、人の生活に直接影響を与える立場にあり、生活状況や心身の健康に関わる重要な決定を下す役割を担っており、その決定が公平であること、高い倫理感が求められます。

日本で1987年に資格化され、30年以上経ちますが、果たして社会に浸透しているのでしょうか。

私自身の経験として、人格者を求め、崇高なる職業イメージ、個人の倫理感に依存した結果が、現状の社会的認知につながっていると思います。

公益財団法人社会福祉振興・試験センター資格登録状況(2023年3月末時点)によると、約38万人ものソーシャルワーカー(社会福祉士・精神保健福祉士)がいます。

本当に38万人全員が清廉潔白で、倫理感が高く、向上心の高い人達なのでしょうか?

毎年、学生指導をしていますが、社会を経験していない学生に2週間程度の期間で伝えられることは、ほとんどないです。私の指導力不足もあるとは思いますが(泣)

教育の仕組みと現任者の指導体制の双方に課題があると思ってます。

今回は、冒頭でもお伝えした通りで、作られた後付けの倫理ではなく、偏ってても良いから自分のホンネをさらけ出せる環境や体制を作ることが必要なんじゃないか、という私の主張です。

リアルだったら、お上品な諸先輩方にボッコボコにされそうですが、ネットの時代だからできるで!

2.完璧でなくて良い。それよりも自分らしくあれ!!

最初から出来る人はいません。

私の経験談としては、10年近く、清廉潔白を演じてしまい、成長速度を遅めてしまったと後悔があります。

誰かに言わされた言葉じゃなくて、心から思う考えを大切にしてもらいたいとこれからの若い世代に思うのです!

10年20年経験があっても、SNSもやってない、価値観のアップデートもされてない人の意見って、もう現実に即してなくないですか!?そうじゃない諸先輩方申し訳ございません。なんかイラついてきてしまって、つい・・・

ここから、私が思うソーシャルワーカーの要素を3つ挙げます。

(1)共感力

経験が物を言うところはあるかもしれませんが、欠点や弱さはクライアントの問題に対してより共感しやすくなるはずです。

その結果、クライアントとより深い信頼関係を築くことができるんじゃないでしょうか?

あなたは、大病を患った時、死んでしまいたいと追い込まれた時、どんな人に元気をもらいますか?

(2)対応力とユーモア

自分自身の経験や過ちから学んできたからこそ、柔軟性を持てると思います。

クライアントを不安にさせまいと、失敗したことありません、っていう雰囲気も出さなくて、強がらなくても良いと思います。まずは目の前のクライアントに集中することです。

そのうち、失敗や間違いが、とてもユーモラスに思えて来る日がきます。

(3)力の出し惜しみはしない

めちゃくちゃ難しいかもしれませんが、全力で取り組むということです。

いろんな壁にぶつかってみないと、専門性を追求しようとしたり、相手を知りたいと思えなかったり、倫理感を養うことには、つながらないと思います。

 

だいぶ堅苦しい話題になってしまいましたが、倫理感の獲得には、相反する失敗が必要になるのではないかという私の意見でした。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!