福祉のこと

【性的マイノリティ(LGBTQ)】のデータからみる現在地

ゴールデンウイークで妻の実家に帰省するのですが、小1の息子が、お菓子をパンパンに入れたビニール袋に、これはおばあちゃんちにもっていくもの」というメモを貼ってあり、「計画性があるな~」と感心していました。

その後、妻に没収され、だいぶこぢんまりとした袋になっており、私が口を挟むと喧嘩になると悟り、大きな組織や力に屈する政治家の気持ちを知った、凡人のあまさんです。

今回は、性的マイノリティについての基礎的な知識とデータを共有します。

なぜ、このテーマを取り上げるかと言いますと、先のブログで挙げた「いじめの問題」、私の専門領域である精神保健福祉分野に通じる部分が大きいと考えているからです。

1.性の要素を分解する

  • 身体の性別:生まれながらの生物的な性別
  • 性自認:自分の性別をどう認識するか
  • 社会的な性:後天的に身につけていく性
  • 性的役割:社会に期待される男・女としての役割
  • 性別表現:服装やどのようにふるまうか
  • 性的指向:好きになる性、恋愛や性的関心の対象
  • 法的な性別

2.LGBTQとは

L レズビアン     女性を好きな女性

G ゲイ                男性を好きな男性

B  バイセクシュアル      男女両方が恋愛対象となる

T トランスジェンダー  出生時と異なる性別で生きる人

Q クエスチョニング   性自認・性的指向がはっきりしない、揺れ動いている等

2.「一切習っていない」は全体の約7割

    出典:LGBT 当事者の意識調査 ~いじめ問題と職場環境等の課題~
宝塚大学看護学部 教授 日高 庸晴

自分の周りにいないと考えている方も、「いないのではなくて、言えない」可能性も考慮する必要がありますね。

3.性自認のタイミング

「男性の体で生まれたものの、女性として生きることを望む人」「女性の体で生まれてきたものの、男性として生きることを望む人」は、10歳前後で、周囲との違いに気づくとの調査結果があります。

そうすると、性の違和感を抱える10歳前には、性的マイノリティの知識を持つ必要がありますよね。

そうでなければ、「私は間違っている」「おかしい」という認識が生まれてしまい、結果、本人自身が苦しむ期間が長くなってしまいます。

さらには、周囲の無理解にも苦しむかもしれません。

LGBTQの当事者に対する全国調査(LGBT当事者の意識調査2016.日高康晴)において、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

出典:LGBT 当事者の意識調査 ~いじめ問題と職場環境等の課題~
宝塚大学看護学部 教授 日高 庸晴

いじめ被害・不登校・自傷行為の生涯経験率の平均値は、

いじめ被害52.6%

不登校38.4%

自傷行為35.8%

となっております。

一般の方に比べて、この割合は非常に高い数値です。

数字からみていくと、性的マイノリティの精神疾患の発症リスクまたは精神科医療につながる可能性は高いのではないかという私の仮説です。

逆算してくと、精神保健福祉分野に携わる者は、性的マイノリティのケアのあり方、置かれている社会的環境を知っておく必要があると思うんです。

データからみても、教育環境、メディアのあり方など、日本での性的マイノリティの方に対する社会的な理解はまだまだ進んでいないのが、現実です。

では、私達にできることは、何か?

情報化社会である現代では、たどり着ける場所を作っておくことだと思います。

さらには、打ち明けられた人が、そういった場所につなげていけるかだと思います。

あなたの周りではどうでしょうか?

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!